top > 別冊『多木浩二と建築』


トークライブ
多木浩二と建築写真──三人寄れば文殊の知恵
大村高広 × 塩崎太伸 × 長島明夫
2020年11月15日(日)19:00〜 オンライン配信

前編(2時間43分)
00:00 趣旨説明・話者紹介
18:50 多木浩二プロフィール
34:25 多木浩二の建築写真集を読むに際しての問題
54:48 篠原一男の建築に対する批評と写真
1:17:08 篠原建築の写真の分析 1

後編(2時間21分)
00:00 篠原建築の写真の分析 2
1:09:46 建築写真の主体性
1:37:20 伊東豊雄《中野本町の家》と坂本一成《代田の町家》の写真の分析
2:02:52 結び

※トーク後記
塩崎太伸|研究ノート − ひとりの哲学者が撮った建築写真を5時間ながめてみて
大村高広|声にだして読みたくなるブログ − NOV.23,2020_アフタートーク
長島明夫|『建築と日常』編集者日記 − 2020-11-24

- 概要
 哲学者で広く文化の研究者だった多木浩二(1928-2011)は、その活動初期において、写真の撮影・制作も手がけていました。それらの前衛的な写真は、写真家の中平卓馬や森山大道らと刊行した同人誌『プロヴォーク』(全3号、1968〜1969年)の名前とともに知られていますが、その一方で、1960年代から70年代後半にかけて、多木は自らの批評対象であるような建築の写真も少なからず撮影しています。
 今年7月、そうした建築写真のうち、篠原一男・坂本一成・伊東豊雄・白澤宏規の住宅作品を写した写真が、写真集『建築のことばを探す 多木浩二の建築写真』(飯沼珠実編、建築の建築)として出版されました。このたびは、その出版に「プロヴォーク」された『建築と日常』が音頭をとり、多木浩二と建築写真をめぐってトークライブを開催します。
 多木浩二の建築写真は、慣習的な建築写真との差異の大きさや、篠原一男をはじめとする建築家との伝説的なエピソード、多木がその後の仕事で獲得した名前の威光などによって様々にバイアスがかかり、写真そのものを直観することが難しくなっているように思えます。あるいはそこには写真家と建築家のどちらの作品性を認めたらよいのか曖昧な、「建築写真」というものの分かりにくさも作用しているのかもしれません。今回のトークライブでは、そうして建築界で未だ確かな定見がない多木浩二の建築写真について、撮影対象となった各建築のあり方や、それについて多木が書いた建築批評の内容なども踏まえながら、今後の思考の地ならしとなるような話をしたいと思っています。
(長島)

[日時]2020年11月15日(日)19:00開始(1〜2時間程度の見込み)
[媒体]YouTube LIVE:Akio Nagashimaのチャンネル(https://www.youtube.com/user/richeamateur)にて無料配信(視聴申し込み不要)
※写真や文章を画面に表示しながら話すため、ある程度大きなモニターのほうがご覧になりやすいかもしれません。
※技術面で不安があるため、直前に収録したものを録画配信する予定です。配信後にあらためてその内容を検討し、動画を無期限で再公開するかどうか判断します。後日再公開する場合も、なんらかの編集が加わる可能性があります。

- 話者
大村高広 https://www.ohmura-takahiro.com/
建築設計事務所勤務。自らも中判のフィルムカメラを用いて建築や風景などの写真を撮影する。「10+1 website」2019年8月号では『Inui Architects──乾久美子建築設計事務所の仕事』の書評を執筆、その建築写真を論じた。自身にとっての写真家のヒーローは清野賀子と中平卓馬。

塩崎太伸 http://shiozaki.main.jp/
建築家。アトリエコ共同主宰、東京工業大学准教授。2016年まで助教として同大学奥山信一研究室に在籍し、同研究室が所蔵する篠原一男資料(多木浩二やその他の写真家による建築写真を含む)の管理に携わる。最晩年の篠原の設計活動や『アフォリズム・篠原一男の空間言説』『篠原一男 住宅図面』などの編集にも協力。

長島明夫 https://kentikutonitijou.web.fc2.com/profile.html
編集者。個人雑誌『建築と日常』にて、2013年に別冊『多木浩二と建築』を刊行、多木の詳細な著作目録(写真を含む)を作成した。2017年には自らが撮影した写真を用いて号外『建築と日常の写真』を刊行。編集と執筆を担当した『建築家・坂本一成の世界』でも多木の写真・文章を掲載している。

- 主な参考資料 - 想定される主なトピック ※上記のトピックはあくまでトークライブ開催の1ヶ月前に想定したものなので、当日、これを一つずつ順番に漏らさず話題にするわけではありません。具体的な分析や議論の題材にする多木の建築写真としては、『建築家・篠原一男──幾何学的想像力』で多木が自選した写真14点を中心的に用いる予定です。


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